手技療法の種類とその歴史

接骨院・整骨院の施術について

接骨院と整骨院の違いは名称だけ

 

手技療法の治療院には色々と種類があります。

 

接骨院、整骨院、整体、カイロプラクティックなど、どういった看板を掲げているかは、施術者の経歴や治療法で変わってきます。

 

「接骨院」と「整骨院」は全く同じ治療法であり、違いは名称だけです。 

 

「接骨院」という名称のほうが歴史がありますが、時代とともに「整骨院」という名称を使う治療院が増えたようです。

 

「バキボキしませんよ〜 優しく整えますよ〜^^」と、弱っている患者にソフトな印象を与えるためでしょうか。

 

「美容院」と「美容室」、「看護婦」と「看護師」、「教師」と「先生」・・・のように同じだけど呼び方が違うものは結構ありますね。

 

接骨院と整骨院はどちらも「柔道整復師が柔道整復を行う施術所」で、正式な名称は「柔道整復師施術所」です。

 

ちなみに「ほねつぎ」も同じです。

 

どちらも施術者として開業するには「柔道整復師」という国家資格が必要です。

 

 

柔道整復術の歴史は結構長い………・・・

 

一昔前は柔道場の隣に道場主が接骨院を構え、練習で怪我をした人や地域の人達を治療する事が多かったようです。

 

アニメ化もされた『YAWARA!』という柔道漫画でも道場主のおじいちゃんが接骨院を営んでいましたね。

 

柔道整復の歴史はかなり古く、奈良・平安時代あたりから骨折や脱臼の治療法は存在していたようです。

 

その後、戦国時代の古武術、さらに中国医学やオランダ医学などの要素が加わって今の柔道整復術が確立されていきました。

 

一説には、日本古来の柔術には、相手を殺傷する「殺法」と傷ついた人を蘇生・治療する「活法」があり、時代とともに「殺法」は競技柔道に継承され、活法は負傷者に施す治療法として「接骨」として伝承され「柔道整復術」となった・・・とされています。

 

ただ、これについては懐疑的な意見もあり、某T大学教授の長〜いレポートによると「殺法」「活法」の言葉は古来日本には見受けられず、武術より発展した殺法と活法の歴史が、医術と武術の関連歴史にはならないと結論付けています。

 

しかし、本当に関連がないかは誰にも分かりません。
悪魔の証明ではないけれど「ない」という証明は難しいです。秘伝、口伝で伝わってきたものが、何かのきっかけで歴史に影響を与える事もあったかもしれません。

 

 

合戦で柔術を使うタイミングは?

 

合戦で今の柔道や柔道整復術のルーツになるような技が使われる事があったかどうかは分かりませんが、武士が鎧を身につけ馬にまたがって戦う…という大河ドラマでよく見られるシーンはテレビ用の演出であり、実際の合戦は無数の雑兵や足軽が軽装で戦っていたと言われています。

 

普段は農業をしている農民兵が多く(信長の時代からは正式に雇われる武士も増えた)、彼らの武器は長い槍、弓矢、短い刀、そして意外によく使われていたのが投石でした。(後に鉄砲も加わる)

 

 

刀以外はあまり接近して使うものはなく、どんな風に柔術が使われたのだろう・・・と検索してみると、合戦の再現をしている「ガチ甲冑合戦」というイベントの映像がyoutubeにUPされていました。

 

 

実戦護身術「功朗法」総師範の横山雅始氏(この人の経歴については謎が多いので触れないでおきます)が主催するイベントで、戦国時代の合戦を再現しています。

 

日本だけでなく欧米の武術家達も参加している大掛かりな合戦再現イベントで、年に数回各地で開催されています。人数は一般の参加者も加わり、多い時は100名以上となります。

 

 

 

画像は一騎打ちの様子です

 

実際の合戦では槍で「突く」というより、槍の先で相手をバシバシ「叩く」という使い方が多かったそうです。

 

 

槍で勝負がつかず、どちらかが相手の槍の柄内に入ると、槍を捨て直接相手を倒しにかかります。

 

 

何となく柔道っぽい事をやっています。
「組討ち」というやつですね。

 

 

こうなると甲冑はむしろ邪魔に思えます。

 

 

力が強いか、柔術に長けているほうが有利ですね。

 

 

相手を倒して押さえつけて、短刀で
甲冑の間からブッス〜っと刺しています。

 

 

 

実際の戦場は人でごった返していて、1人倒してる隙に別の兵に襲われたでしょうから、集団から外れた場合でないと、このような一騎打ちにはならない気もするのですが、意外と多い確率で組討ちになったという説もあります。

 

 

大人数の合戦の様子もyoutubeに沢山UPされてますので、興味のある方は「ガチ甲冑合戦」で検索してみてください。

 

本も出ています↓


ガチ甲冑合戦でわかった実践で最強の「日本武術」

 

 

応急手当は仲間同士でやっていた?

 

戦いが数日続くこともあり、怪我をした兵は早急に手当をしてまたすぐに出陣しなければならなかったでしょう。

 

大物武将には「お抱え医師」のような人がいて、それ以外の兵には「金瘡医(金創医)」という外科治療をする医師のような人が居たらしいですが、多くの雑兵は仲間同士で手当てをするしかなかったようです。

 

意外にも武士よりも農民兵のほうが普段の経験則から薬草などに詳しい人が多かったという話もあります。

 

「雑兵物語」という江戸前期の兵法書には、普通では考えられないような原始的で無謀な応急処置法が記述されているようですが、本当に真実が記されているかは謎です。

 

医療も兵法のうちで重要な軍事機密だったでしょうから、有効な技や治療法を公の記録には残さず、ワザとあり得ない手法を書き残したのかもしれません。

 

柔術と合わせて骨折や脱臼の治療が上手い人が居ても、その技はヒッソリと受け継がれていった可能性がありますね。

 

 

 

柔道整復師の実情については【開業戦線[異常]あり(p_-)】実力で稼いでる治療院は稀少のページもご参照ください。

整体とカイロプラクティックの違い

「接骨院」と「整骨院」の治療は全く同じですが、「整体」と「カイロプラクティック」は、同じではありません。

 

「整体」という言葉は、手技を用いた民間療法を広〜〜〜い意味で指しています。

 

語源は、アメリカで誕生したカイロプラクティックやオステオパシーなどを日本古来の手技療法と組み合わせて「整体」や「指圧」と名付けたのが始まりのようです。

 

先に記した柔道整復よりも更にルーツが入り乱れていて、施術者が好き勝手に色々な治療法をパクッて導入して組み合わせ「○○式整体」などと独自の看板を掲げ営業しています。

 

そもそもは「骨格や関節の歪みやズレの矯正、骨格筋の調整などを、手技や補助器具を用いて行う民間療法」ですが、本当に人間の体を熟知して研鑽を積んでいる人もいれば、ロクに勉強もせずいきなり開業する輩もいます。

 

中には「美容整体」とか「小顔整体」など女子が食いつきそうなネーミングでお客を呼んで荒稼ぎしている人達もいます。

 

もちろん、本当に腕のある整体師も存在すると思いますが、そういう所は宣伝しなくても本物の口コミや紹介で患者が集まるため、縁が無いと永遠に存在を知る事ができません。

 

自分で探す場合は【こんな治療院には注意!!】ダメな治療院あるある(-_-メ)のページにあるような宣伝だけに力を注いでいるような治療院にはなるべく行かないようにしましょう。

 

 

 

 

 

カイロプラクティックは整体と違ってルーツが明確で、1895年にアメリカのダニエル・デビッド・パーマー(D.D.Palmer 1845−1913)によって創始された手技療法です。

 

一説では、D.D.パーマー自身は、1874年にアメリカの医師アンドリュー・テイラー・スティル (Andrew Taylor Still)によって創始されたオステオパシーに影響を受けて、カイロプラクティックを編み出したのではないかと言われています(彼はA.T.スティルの所に通っていた時期があった)。

 

どちらにしても、カイロプラクティックという名称をつけ、治療法として確立させたのはDDパーマーです。

 

その後、優秀な人達が様々な手法をあみだしていき、今では100種類以上のテクニックが存在すると言われています。

 

主なテクニックについての説明はカイロプラクティックは危険なのか?のページに記載していますのでご参照ください。

 

全く違う治療法に見えても、実はカイロプラクティックのテクニックの一つだったりするので、この療法の裾野の広さには驚きます。

 

日本人なら、何かにヒントを得て治療法を編みだしたら、迷わず「○○式整体」などの名称をつけて独自のブランドを立ち上げそうですが、カイロプラクティックの世界ではそうはならなかったようです。(歴史に残らなかっただけかもしれませんが)

 

アメリカ人は器が大きいのか、創始者に敬意を表しているのか、カイロ業界の団結力が強いので傘下に入ったほうが都合がいいのか・・・色んな理由がありそうです。

 

 

 

それはさておき、カイロプラクティックは発祥国のアメリカや、その他の欧米諸国では、政府公認の医療資格で専門職として法制化されています。

 

 

カイロプラクティックは、主に脊柱の指圧で神経系の機能回復を促し、人間が本来持っている自己治癒力を最大限に発揮させるための治療法です。

 

神経の通り道を整えてやれば、脳からの指令が行き届き、怪我をしにくい動きができるようになり、外的要因で怪我をした場合でも自然治癒力が増す、という理念です。

 

手技療法全体に当てはまる事ですが「治す」というよりも「治るための道筋(条件)を整える治療」と言ったほうが正しいでしょう。

 

現代医療で症状を抑え、手技療法で治る道筋を整え、その他の代替医療で回復を加速させる感じでしょうか。

 

 

 

手技療法の中でも、とりわけ日本人のデリケートな体質に合うのがSOT(仙骨後頭骨テクニック)です。

 

SOTはカイロプラクティックのテクニックの1つですが、いわゆるバキボキ系のテクニックと違い、非常に優しく穏やかな治療です。

 

治療の穏やかさとは裏腹に、独自の指標で不調の根本原因を素早くあぶりだし、わずかな刺激で快方に向かわせていく手法は、まるで切れ味の鋭いナイフのような印象です。

 

切れ味が良いから体に余計な負担をかけず、患者の体力を奪わないので、それだけ回復が早くなります。

 

体力に自信の無い人が手技療法を受けるなら、このSOTを第一選択に考えるとよいでしょう。

 

SOTについては原因をあぶりだして根本治療する仙骨後頭骨テクニックと、【静かなるドン?脳脊髄液】あらゆる病を改善に導くSOTのページもご参照ください。

 

 

 

 

もちろん一番重要なのは栄養と睡眠です。そして不要なストレスを排除し必要以上に体を冷やさない事です。

 

体の回復力を高めるために絶対に外せない3つの必須項目のページに書いてあるように、一番肝心な部分が欠けていると高度な治療を受けても無駄になってしまいます。

 

「体を作る材料」をしっかり供給しながら手技療法を有効活用しましょう。

 

 

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