三流の治療院はすぐ見つかる
多くの人は、体調が悪くなってから病院や治療院に行きます。
そして、症状を感じなくなれば、「治った」と判断して通わなくなります。
「症状を抑える」のが目的ならば、それでOKですが、治ったわけではないので、時間がたてば、また同じ場所が不調をきたしたり、悪い所をかばう為に無意識に体を歪めて、別のところが悪くなったりしていきます。
根本治療を謳っていても、実はそうではない治療院は沢山あります。
「下手なヤツほど看板がデカイ」という言葉通り、「それなり」の治療院は宣伝に力を入れているのですぐに見つかります。
高度な治療をしている所は、地味に淡々と運営されている事が多いので、運が良ければ紹介などでたどり着けますが、そうでない場合は、根気よく探す必要があります。
検索でトップに表示される治療院には注意
治療院のHome Page(正しくはWebサイトですが)があると、治療院選びをする上で参考になるので、患者としても助かります。
しかし、中には、新規の患者を呼び込むために、躍起になっている治療院もあり、そういう治療院は、SEO対策に全精力を注いでいます。
SEOとは、検索エンジンの検索結果で、サイトが表示される順位を上げる手法です。
治療院の名前を付ける段階から、検索されにくい個人名ではなく、地名や駅名を治療院名の一部にしたりする人もいます。
あるいは、近県の地名や沿線、駅名などを表記して「○○県からも患者さんが来られてます」などと書き、遠方の患者の検索にも引っかかるようにします。
どのように検索しても上位に表示される治療院は、業者にかなりの金額を支払っています。
治療院をオープンすると、
「ホームページ開設しませんか〜?(料金高い)」
「口コミサイトに有料登録しませんか〜?(裏工作満載)」
「雑誌に掲載してみませんか〜?(もちろん治療院側がお金を払う)」
などと、様々な業者から頻繁に電話がかかってきます。
治療院専門の経営コンサルタントなども存在します。
テレビ局や出版社に取材させるように働きかけたり、有名人を広告塔に使ったり、あの手この手で治療院の宣伝をしてくれます。
「テレビに出た」「雑誌に載った」ということで、「腕の良い先生」「信頼できる治療院」と思わせる手法です。
「権威の法則」というやつですね。
Webサイトも、業者に高い料金を支払うと、見栄えの良い、検索エンジンに強いサイトを作ってくれます。
そのバカ高い宣伝費やサイト管理費をどこから捻出するかというと・・・
「患者から頂く施術料」からです。
確かに、治療院をオープンして間もない場合は、宣伝も必要です。
宣伝しても、なかなか患者は来ません。
他の治療院などでアルバイトをしながらでも、地道に細々と続けている内に、やがて本物の口コミで患者が来るようになります。
その頃には腕も上がり、自分の腕に見合った患者が次々と来院するようになります。
個人差はありますが、そこに至るまでは3年〜5年以上はかかります。
そのような工程を踏まずに、宣伝の力だけで患者を呼び込んでいる治療院は、一時繁盛しても長続きしません。
そのうち、
治療院経営のノウハウを教えるスクールを開校したり、
経営コンサルタントに転身したり、
治療のDVDやグッズなどを販売したりして、
治療以外で稼ぐほうに活路を見出します。
※院長のフルネームで検索をかけると、「儲かる治療院経営」を教えるスクールの講師の名前と同じだったりします。
そして、そのノウハウを学び、「いかにして患者を呼び込むか」という事ばかりに執心する治療院がどんどん増えていきます。
したがって、細かい条件で検索していないのに、やたらと上位に表示される治療院は、実力で患者を呼べない治療院である可能性大です。
HPの内容が薄い治療院は書けるほどの実績がない?
治療家の中には自分で治療院のHPを作ったり、業者に依頼した場合でも更新作業は自分で行う人がいます。
そういうHPは、自然と内容が濃くなります。
行っている治療に関して、自分の言葉で説明したり、治療に対する熱意が伝わるので、読み応えのあるHPになっていきます。
反対に、必要最低限の事しか書かれていないシンプルなHPもありますが、それはそれで、単なる案内としてHPを開設しているだけの可能性があります。
商売っ気の無い「シンプルなHP」と、
商売根性丸出しなのに「内容が薄っぺらいHP」は違います。
薄っぺらい典型的な例として、
・デカデカとキャンペーンの案内が表示されている。
・エキテンのリンクが貼ってあったり、「口コミbP」「ランキング1位」などと書かれている。
・スタッフ紹介のページに、スタッフの経歴ではなく「好きな食べ物」や「趣味」など、治療と関係ない内容しか書かれていない。書けるだけの経歴が無いという事。
・症状や治療法の説明が、他の治療院サイトのコピー。
・患者の事を「お客様」と書いている。「お客様の喜びの声」など。
・治療とは全く関係ないプライベートな情報満載。
業者に依頼してHPを作った場合でも、最終的には自分の目で見てチェックすると思いますが、こういう治療院はそうしないのか、それとも本気で「これでよし」と思っているのか、いずれにしても、大した治療はしてないでしょう。
施術者の経歴があやふやな治療院も怖い
プロフィール欄を飾っている資格をよく見てみよう
治療院のサイトを見ていると、院長の経歴は書かれているのに、他のスタッフの経歴には触れられていない場合が結構あります。
中には、院長の経歴すら、あやふやな治療院もあります。
よく見ると、学校の名前が載っていても「卒業」と書かれていなかったり、セミナーに参加しただけで取得できる資格が書かれていたりします。
一見、立派な資格に思えても、実はそれほどでもないものも多いです。
例えば、「内閣府認証」という、いかにも国家資格のような響きの文言がありますが、これは、NPO法人(民間団体)が作った資格で、国は関係ありません。
団体の拠点が1県だけにあれば「○○県認証」となり、2県以上にまたがっていれば「内閣府認証」という名称になるだけのことです。
「埼玉県認証」とかなら、わざわざ明記しないだろうに「内閣府認証」なら、これみよがしにアピールするのは、一種のイメージ戦略であり、色々な職種の民間資格で見られます。
その資格を作った民間団体が、意図的に複数の県にまたがって拠点を作り申請したとも考えられます。 輩出された施術者が優秀ならば特に問題はありませんが・・・
見た目がベテランでも素人同然の治療家もいる
また、院長の経歴で惑わされやすいのが年齢です。
年配の施術者だと「ベテラン」と思い込みそうになりますが、実際は脱サラして専門学校を卒業し、開業したばかりの先生もいますので、開業時期もチェックしましょう。
学校の実技試験は、質問に口頭で答えるだけで、実際に患者を治療するわけではないので、大学を出ていたとしても、たとえD.C.(ドクターオブカイロプラクティック)の資格を持っていたとしても、
下手な人は下手です。
似た症状の患者でも、体質や栄養状態、環境や精神面など、皆バラバラですので、やはり治療した人数が多いほど経験値は上がります。(治療を仕掛けた人数ではなく、あくまでも「治した人数」です)
あまりにも経験が浅い先生は、そのレベルの治療しか出来ませんので、症状が重い人は避けた方が無難です。
ただ、経験が浅くても、頻繁にセミナーに参加して人脈を広げていたり、腕の良い師匠についている先生なら、自分の手に負えない場合、対応できる先生を紹介してくれる可能性もあります。
そのような人脈の無い、一匹狼的な先生のところへは、紹介でもない限り行かない方が良いでしょう。
エキテンなどに口コミが多い治療院は怪しい
治療院を探すにあたって参考にしたくなるのが、口コミサイトですが、これほどアテにならないものはありません。
口コミサイトは、サクラ(業者&身内&口コミを依頼された患者)で成り立っています。
絶賛している口コミのほとんどは、業者に委託されたアルバイトのライターが作成しています。
治療院を開業すると、必ずと言っていいほど、これらの業者から有料プランを勧める電話がかかってきますが、まっとうな治療院はそういう誘いは断ります。
口コミの中には、家族や友人、治療院仲間などの身内の口コミもありますし、患者にお願いして、施術料を割引きするなどの特典を付けた上で書いてもらっている口コミもあります。
ベタ褒めしている口コミで、自発的なものは「ほとんど無い」と思った方がよいでしょう。必ず何らかのカラクリがあります。
本当に良い治療院だと思ったら、自分の為にも治療院の為にも、信頼できる身近な人にだけ教えるのが普通です。
治療院側が気づかない内に書かれている純粋な口コミもあるかもしれませんが、かなり少数だと思います。
このような口コミが多数ある治療院は、新規の患者を取り込むのに必死なのが明白です。
最近は、治療院のHPにエキテンのリンクが貼ってある所もあり、クリックすると絶賛口コミのオンパレードとなっています。
HP業者とエキテンが繋がっているのが丸わかりです。本物の口コミで患者が来るほどの腕が無いという事でしょう。
個人ブログで紹介されている治療院は信用できるのか?
エキテンなどの口コミサイトではなく、個人のブログで特定の治療院を紹介しているのも、時々見かけます。
「治療して調子が良くなった」と、日々の日記のつもりで書いているだけかもしれませんが、普通は特定の治療院の名前までは出しません。
紹介の仕方によっては、それを見た患者が押し寄せるかもしれませんので、治療院側にとって、むしろ迷惑なのではないかと思います。 それを喜ぶ治療院だったら、そのブログは身内か治療院仲間のものでしょう。
そもそも、それが本当に純粋な個人ブログかどうかも分かりません。
昨今ではクラウドソーシングと呼ばれる業務形態が一般化し、「ブログ記事ライター」のように、ブログやサイト運営者に代わって文章を書き、報酬を得ている在宅ワーカーも多数存在します。 副業でやっている人もいれば専業の人もいます。
サイト運営者が、外注業者に「このキーワードを入れてこんな記事を書いてほしい」と発注をかけ、その業者に登録している在宅ライター(殆どが素人のバイト)が記事を書いているパターンです。
「オススメの治療院」とか「ゴッドハンドと呼ばれる先生たち」などと、何の根拠もなく特定の治療院を紹介しているサイトもありますが、そのようなサイトは、「どんな人が記事を書いていて、誰が利益を得ているのだろう・・・」と、勘ぐってみる必要があります。
書かれている内容にもよりますが、気になる場合は、信頼できる情報なのか、自分に合う治療法なのか、よく調べた上で利用しましょう。
ちなみに当サイトは、全て管理人が独断と偏見で作成しています。
料金が高すぎたり、コース別に料金が違うのは?
高い施術料=腕が良いわけではない
都心周辺の整体、カイロプラクティック治療院は、1回の治療料金が5,000円〜6,000円程度の所が多いです。
初回は初診料(検査料)がプラスされますので、もう少しかかると思いますが。
治療器具や精密機械などを入れていれば、メンテナンスでお金がかかりますが、そうでない治療院もだいたい金額は横並びです。
店舗としては、駅に近いビルの「1階」は家賃が高く、エレベーター無しの場合、上に行くほど安くなる傾向があります。
駅から遠く、エレベーター無しの2階なら、家賃は安めですが、それでも月10〜20万程度はかかるようです。
郊外や地方なら家賃も安いので、地域密着で活動していれば5,000円以下でも十分経営が成り立ちます。
1回5,000円というと、保険診療が当たり前の日本では高額に感じますが、治療院側にも苦しい事情があり、そのくらいの金額設定にしないとやっていけない所が多いようです。
所得税、住民税、事業税、消費税(年間売り上げ1,000万以上の場合)も納めなければなりません。
しかし、中には、やっていけないわけではないが、安く設定すると三流に見られるという考えから、料金を下げない治療院もあります。
下げないだけならまだしも「料金が高い=高度な治療をしているように思える」という、日本人にありがちな消費者心理につけ込んで、1回の料金を7,000円以上に設定している所もあります。
そういう治療院は、治療の腕が良いわけではなく、そう見せる事で患者を呼び込もうとしている可能性が非常に高いです。
1〜2回の治療で完治するのなら、1回10,000円でも安いかもしれませんが、悪くなった体は、そんなにすぐには治りません。
「体はどのように回復するのか」のページにも書かせて頂きましたが、悪くなった体が治っていくのには時間がかかります。
本気で患者を治したいと思っているのなら、患者が通いやすい料金設定にするものだと思いますが、「お金がある人しか相手にしない」というオーラが漂っている治療院は、関わってもロクな事はありません。
ごく稀に本当に腕が良くて料金が高い治療院もありますが、そういう所は宣伝しなくても全国から患者が来るので、HPも作らずひっそりと経営しています。
施術内容がコース別になっている治療院について
「手技治療」「電気治療」「鍼灸」など、全く違う治療で別になっているのならともかく、体の部位別になっていたり、症状別でコース分けしているのは、ターゲット別に売り上げを意識しているだけだと思います。
コース別にすると、1回の料金を安く設定できるので、患者を呼びやすいのです。
しかし、人間の体は繋がっていて、全てがバランスをとりあっています。 全体のバランスを考えて調整しなければ、たとえ治療効果を感じても、すぐに元に戻ってしまいます。
そういう基本的な所を無視して、コース設定をしている治療院は、治療よりも、経営の方に執心している治療院でしょう。
頻繁にキャンペーンをやっている治療院は止めておいた方が無難
「○周年記念キャンペーン」
「初回限定○円OFF」
「インターネット割引」
・・・と、いつも何かしらキャンペーンをやっている治療院は止めておいた方が無難だと思います。
酷い所になると、
「今月末までの期間限定レディース割引」
というのを「毎月(1年中)」やっていたり、
「口コミを書いてくれたら2000円引き」
とかいう治療院もあります。
やってて情けなくならないのかな・・・と思います(-_-;)
開業して間もない治療院なら、キャンペーンをやって患者に来てもらい、臨床経験を積んでいくのもアリですが、年がら年中、繰り返しキャンペーンをやっているのは、腕が悪い治療院である可能性大です。
電話・メール対応が雑な治療院は論外
気になる治療院があったら、電話をかけてみましょう。
Webサイトを見るよりも、電話で直接話したほうが治療院の雰囲気が分かります。
用件は「症状の相談」「治療についての質問」など、適当に。
受付の人ではなく、施術者本人と会話してください。
面倒くさそうに対応されたり、高圧的な態度で印象が悪かったら行かない方が良いです。
対応が雑な人は、患者の体も雑に扱います。
落ち着きのない話し方や、適当な返事をする人も避けましょう。
メールの場合は、メールを打つ事自体が苦手な先生もいるので一概には言えませんが、電話やメールで丁寧に対応してくれる先生は治療も丁寧な可能性が高いです。
予約変更やキャンセルを極端に嫌がる所は・・・
売り上げに対して貪欲な治療院は、患者の確保に必死です。
できることなら、なるべく空き時間を作らず1人の患者も逃さず稼ぎたいのです。
予約をしたら、絶対にその日時に来院するように患者にプレッシャーをかけ、キャンセルなどしようものならキャンセル料を催促したりします。
もちろん患者側も、予約を入れたら、その日時に来院するのは常識です。
遅刻やキャンセルをすると、他の患者さんの迷惑にもなりますので、なるべく遅刻やキャンセルはしないようにしましょう。特に、連絡なしのキャンセルは、多大な心配と迷惑をかけてしまいますので、極力しないように気を付けましょう。
ただ、人間ですので、急に体調が悪くなったり、急用ができたりする事もありますし、悪天候で出かけるのが困難な場合もあります。
無理をして体調を崩したり、アクシデントに見舞われたりしたら元も子もありません。
来院するのが難しい時は、事情を説明して予約の変更をお願いしましょう。
それで不機嫌になるような先生なら、通うのは止めた方がよいです。
患者が生身の人間であることを忘れて、悪意のない予約変更すら容認できないような人間が、良い治療などできるわけがありません。
今、治療院の数はコンビニより多いのですから、わざわざ、そのような所を選ぶ必要はありません。
余裕のある治療院は、たとえ当日キャンセルをされてもビクともしません。
次々に患者が来るので、空いた時間に患者のカルテを見直したり、治療関係の本を読んだりして有意義に過ごすでしょう。
以上、あまりオススメでない治療院の例を挙げてきましたが、ここに挙げたのと似たような事をしているからといって、全てが悪いというわけではありません。本当に患者さんのために誠実に頑張っている人もいるでしょう。
それに【開業戦線[異常]あり(p_-)】実力で稼いでる治療院は稀少のページにも書いていますが、施術者の方々も生活がかかっていますので、軌道に乗るまではある程度の営業努力は必要です。
ただ、良い治療院は割と地味であるのページにも書いていますが、地道に何年も何十年もかけて確実に腕を磨いている人のもとには、本物の口コミで人が集まるので宣伝する必要が無くなっていくのも事実です。
