【急性と慢性の線引きとは】ぎっくり腰は急性の皮をかぶった慢性疾患の場合が多い

「急性」のように思える慢性疾患は多い

「慢性疾患」とは、ゆっくり時間をかけて悪くなっていく疾患で、「急性疾患」とは、急激に症状が現れる疾患・・・と言われていますが、急に症状が現れるからといって、「慢性の経過をたどってない」とは言えません。

 

急性疾患として扱われているものでも、慢性的な経過をたどりながら、ある日限界に達するというパターンが多いです。

 

限界まで入れたコップの水に、氷を放り込むと水が溢れます。

 

これと同じで、限界まで頑張っている体に、きっかけとなるストレスが加えられると、限界を超えて急激に症状が表面に現れるので、急性疾患のように思えるわけです。

 

本当の急性疾患とは、事故や食中毒、ウィルス感染などの外的要因、もしくは何か体を酷使するような事をして発症するものです。

 

「ちょっとしたきっかけ」程度で発症するものは、殆どが慢性疾患のなれの果て行きつく先と言えるのではないでしょうか。

 

 

日常的に体を冷やす・寝不足が続く→免疫力が落ちる
日常的に体を締めつける服や下着を身に着ける→婦人科系要注意
栄養の偏りや糖分、塩分、脂肪、添加物などの摂りすぎ→生活習慣病やアレルギー
日常的にストレスを溜める→全ての機能が落ちるので一番体に悪い

 

…など、色々な要因の積み重ねで、気が付けば、以前は出来ていた事ができなくなっていたり、ちょこちょこと慢性的な不調が見え隠れしてきますが、ゆるやか〜に悪くなるので気が付きにくいのです。

 

そして、何かのきっかけで、ある日ハッキリとした症状が現れるので、「急性」のように思えるのですが、実は長い時間をかけて悪くなった慢性疾患の「続き」だったりします。

 

慢性疾患は治るのに時間がかかります。

 

生活習慣病も慢性的な体の不調も、病院で薬をもらって飲めばすぐに治るようなものではありません。

 

病院で出来るのは、主に「応急処置」です。

 

完璧な処置をしてもらったからといって、それで健康体に戻れたわけではありません。

 

根本的に治すには、悪い姿勢や生活習慣を改め、代替療法も駆使して時間をかけて自己治癒力で治していく以外にありません。

慢性の腰痛を引き起こす姿勢や習慣

立っているより座っているほうが腰への負担が大きい

 

たとえば、ぎっくり腰などのように、突然グキッときたから「急性」の症状のように思えても、実は慢性的な負荷が原因の場合もあります。

 

日常的に腰に負担をかけている状態が続いていて、いつぎっくり腰になってもおかしくない体の状態になっている事が多いのです。

 

整形外科などに行って湿布を貼ったり、腰椎や骨盤を支えるベルトを装着して腰の負担を減らしたりするのも、応急処置としては有効ですが、根本的な解決にはなりません。

 

原因まで見極めてくれる治療院に通い、普段からの悪い姿勢や癖を直さなくては、いずれまた同じことを繰り返してしまうでしょう。

 

 

 

右の図は、スウェーデンの整形外科医アルフ・ナッケムソン(1931年6月1日 - 2006年12月4日)が示した、腰部に負担のかかる動作と数値をグラフに現したものです。

 

グラフを見ると、意外なことに、立っているよりも座っているほうが、腰に負担がかかっています。

 

特に「前かがみになる」のが、腰に負担がかかることが分かります。

 

ただでさえ重い上半身を支えるには、バランスよく腰の上に乗っかっていないと負担になるわけですね。

 

一番右の「座って前かがみで荷物を持つ」というのは、どういうシチュエーションなのかよく分かりませんが、非常に腰に負担がかかるようですので注意しましょう。

 

 

 

長時間座るよりも、立っているほうが腰痛になりにくく健康にも良いと言われだした事から、最近ではスタンディングデスクを取り入れて、立ったまま仕事をする人も増えているようです。

 


スタンディングデスク

 

 

「立った状態で仕事をすると集中できる」
「ダラダラとパソコンをしなくなった」
「猫背にならなくなった」

 

などと、高評価の口コミが多くあります。

 

 

私も実際に立って作業してみたところ、確かに作業内容によっては座っているよりも楽でしたが、ノートパソコンはやっぱり疲れました。

 

重たい腕を前に出して、更に重たい頭をうつむかせてパソコンを凝視する作業は、立っても座っても腰に負担がかかるようです。

 

デスクトップのパソコンなら、あまりうつむかないで済むので楽だと思います。

 

 

 

 

座っているより立っているほうが腰への負担が少ないのは確かですが、長時間動かないと血流が悪くなりますので、時々体を動かすという事は重要です。

 

「動かない」というのは体全体に良くありません。

 

人間は動物ですので、適度に体を動かしてこそ健康が保たれます。

 

せっかくの身体機能も使わないでいると容赦なく衰えていきますし、血流が悪くなると体の様々な機能が上手く働かなくなり病気にかかりやすくなります。

 

特に「座ったまま長時間動かない」というのは、腰に負担がかかる上に、エコノミークラス症候群(脚の静脈の血行が悪くなり血栓ができる症状)を発症する危険性もあるので、デスクワークの人は気を付けましょう。

 

 

 

腰に負担のかからない荷物の持ち方

 

デスクワーク以外で日常的にやりがちな腰イジメは、「前かがみで荷物を持つ」です。

 

前述の「座って前かがみで荷物を持つ」というのは、あまりやらない気がしますが、「立って前かがみで荷物を持つ」というのは、日常的にやりがちです。

 

「雑誌や書類を持ち上げる」
「洗濯物を持ち上げる」
「立ったまま靴下やブーツを履く」
「小さい子供を抱き上げる」
「片手で家具をよけながら掃除機をかける」

 

など、普通にやりそうな動作です。

 

足腰の筋肉が弱いと、つい、足を曲げるのがおっくうで、そのまま荷物を持ち上げてしまいますが、そもそも筋肉が弱い人がそのような動作を続けていると、ダイレクトに腰椎に負担がかかり、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアを発症しやすくなります。

 

体を支えているのは、一見、骨の役割のように思えますが、筋肉こそが、重たい上半身を支えてくれています。

 

 

 

それなのに、その筋肉をしっかり使わずに、背骨だけで前かがみの上半身を支え、その上、荷物を持ったりしたら、それだけで椎骨や椎間板は悲鳴をあげてしまいます。

 

荷物を持つときは必ず足を曲げて、荷物を自分の体に引き寄せてから持ち上げましょう。

 

そのためには、普段から足腰の筋肉を鍛えて、しっかりと上半身を支える必要があります。

 

あと、足に合わない靴を履いて、痛い足を守るような不自然な格好で歩くのも、うまく上半身を支えられず腰を痛めやすいので注意しましょう。

 

未病の段階でメンテナンス〜姿勢の悪さは万病の元〜

上半身は重い!! 体の部位別の重さを意識してみよう

 

上半身と下半身の体重比は大体6:4と言われています。
体重50sの人なら、上半身は30sほどあります。

 

もちろん個人差がありますが、ざっくりと分けて、腕が約3s×2、頭が4s程度、残りが胴体の重さです。

 

 

スーパーなどで5sの米袋を持ってみると結構な重さがありますが、その6倍の重さを足腰で支えているわけです。

 

ちなみに、ボウリングで自分の使うボールを選ぶ時の目安は、体重の10分の1と言われています。

 

頭の重さも、大体、体重の10分の1程度ですので、ボウリングのボールと同じくらい重たい頭を首で支えているわけですね。

 

右の画像は、適当にイラスト素材を組み合わせたものですが、重たい上半身をイメージできますでしょうか(汗)

 

筋肉を鍛えてバランス良く米袋…上半身を支えないと、骨や椎間板に負担がかかります。

 

お米や2リットルのペットボトルなど重い物を持つとき、「あ〜これの何倍も重いものを自分の足腰が支えてくれてるんだ・・・」とありがたがって下さい。

 

 

上半身を支える筋肉を甘やかすと背骨に負担がかかる

 

日常的に、腰を労わる心がけは大切ですが、とはいえ、全く腰に負担のかからないポーズで日常生活を送ることなど不可能です。

 

なら、どうするか。

 

「足腰の筋肉を鍛える」

 

これに尽きます。

 

「足腰を鍛える」というと、何となく骨盤から下の部分を鍛えるイメージを持つ人もいるかもしれません。

 

しかし、まずは「上半身は上半身の筋肉でしっかり支える」ことを意識してみましょう。

 

なにも、特別なトレーニングをしたり、ジムなどに行く必要はありません。

 

背もたれにもたれる、ひじかけに腕を置く、頬杖をつく・・・など腰の筋肉群を脱力させて甘やかすようなことを止めて、頭や胴体を腰の筋肉でバランスよく支えるように意識するだけでも効果があります。

 

そして、体の回復力を高めるために絶対に外せない3つの必須項目のページにも書いていますが筋肉の材料になるタンパク質をしっかり摂る事を忘れないでください。

 

ぎっくり腰やヘルニアになる人は、慢性的に何かしら腰に負担のかかる事をして、なおかつ腰周辺の筋肉が弱いという原因が考えられます。

 

 

 

筋肉を鍛える以上に「バランスを整えること」が重要

 

背骨には内臓機能を司るたくさんの神経が通っていますが、やはり下へいくほど、支える体重も増えるので負担が大きくなります。

 

腰椎や骨盤、仙骨あたりは、負担が大きい分、痛めやすい部位かもしれません。

 

 

痛めた腰を守るために肩や首が緊張するようになり、肩こりや頭痛に悩まされたり、内臓の働きを左右する神経系にも影響を及ぼします。

 

胃腸の働きも悪くなり、風邪を引いても治りにくく、体全体のパフォーマンスが落ちていきます。

 

腰を痛める事は、腰だけの問題で終わらないのが曲者です。

 

 

病気になりやすい人や、治りにくい人というのは、筋肉の弱さや悪い姿勢、ストレスなどで、体全体のバランスを崩していることで上手く治癒力が働いていないのかもしれません。

 

背骨の中には内臓の働きを司る「神経」が通っていますし、その神経の保護や栄養の補給、そして老廃物を運び出す役割をもつ「脳脊髄液」が循環しています。

 

バランスを崩すと、それらのシステムが上手く機能しなくなるので、自然治癒力や免疫力が落ちてしまいます。

 

※「脳脊髄液」については【静かなるドン?脳脊髄液】あらゆる病を改善に導くSOTのページをご参照ください。

 

 

 

普段から何となく体の調子が良くないな〜、肩こりも酷いし、風邪を引きやすいし、腰も辛いな〜…などと思っている人は、すでにバランスを崩しているものの、かろうじて筋力で体を支えている可能性があります。

 

筋力が強くない子供が自分の体を軽々と支えられるのは、体が軽いこともありますが、全体のバランスが良いからです。

 

バランスを崩している大人は、何かをキッカケにして大幅に筋力が落ちた時に体を上手く支えられなくなり、ガタガタっと体調を崩す恐れがあります。

 

崩れる前に体のメンテナンスをして、バランスを整えておくべきなのですが、このような「未病」の段階では、病院は全く役に立ちません。

 

この「未病」の段階で体のメンテナンスができるのが、代替医療の最大の強みです。

 

代替医療の中でもカイロプラクティックなどの手技療法は、人間に元々備わっている「自然治癒力」を引き出す事に長けた療法ですので、上手に利用することで健康を保つことができます。

 

 

 

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